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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争① 「隣組」でがんじがらめ

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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争① 「隣組」でがんじがらめ
戦後70年の節目の今年、安倍政権が「海外で戦争する国づくり」に暴走するなか、「庶民にとっての戦争とは、何だったのか」を考えます。

図書館に通いつめ、青森県の地方紙「東奥日報」の1930年以降の記事に目を通し、庶民と戦争との関わりを『あの時、青森県でなにが起っていたのか』(2012年6月)という本にまとめた人がいます。京都市の飯田美苗さん(77)です。
この本からは、庶民がひたひたと戦争への道に巻きこまれていったようすが浮かびあがってきます。


飯田美苗さん


「東奥日報」記事から戦争中の庶民の生活を見た『あの時、青森県でなにが起っていたのか』

連帯責任で統制
「戦争中、あらゆるものが戦争と結び付けられていきました。その一つが『隣組』です」と話す飯田さん。
隣組は「隣保団結ノ精神二基キ…地方共同ノ任務ヲ遂行セシムル為」として1940年に制度化。隣近所で防空・防火・防ちょう、食糧や生活物資の配給、住民動員や物資供出の連帯責任を負わせ、住民同士を監視させる役割を果たしました。
飯田さんは、「隣組単位で配給が行われていたため、防火訓練に参加しなかったり、空襲で火が上がっても消火せずに逃げたりすれば、食糧ももらえなくなる。庶民は相互監視でがんじがらめに戦争体制に組み込まれていたわけです」と話します。
『あの時~』によると、隣組の記事が載り始めるのは制度化された40年ごろから。「超非常時だ、明日を計られない世界情勢だ…防火用の井戸掘り作業を開始」「弘前の魚配給、各隣組で共同購入」「川原の廃地開墾…弘前浜町隣組共同耕作」など隣組に関する記事が紙上に躍りました。隣組単位で防空訓練が行われる一方、物資統制により日用必需品の配給制が進められていったのです。
資源調達の面でも統制を強め、無謀な戦争に突き進んでいった様子がみてとれます。

供出で並木喪失
『あの時~』でも、木造船増産が呼び掛けられ、「お寺の老杉」「鎮守の杜(もり)も屋敷の木」も「並木の松」も「墓地の杉立木」も献木運動にまき込まれていったことを紹介。「本県は二万七千本を突破」と青森県の成果を誇る記事もありました。
「そのために昔からの並木道が失われた地域もありました。お寺の釣り鐘が徴収されたのは有名ですが、鉄くずを拾い集める女の子が表彰された話題が記事になりました。とんでもない時代でした」
京都市出身の飯田さんは大学卒業後、結婚で青森市に移り住み、県庁などで働きました。飯田さんが、戦前、社会全体がどのように戦争体制にくみ込まれていったのか、その中で青森県に生きた女性たちがどう暮らしていたのか聞き書きを行うようになったのは97年に改定された「日米軍事協力の指針」がきっかけでした。アメリカがアジア・太平洋地域で軍事介入をおこせば、「周辺事態」を名目に、日本が自動的に参戦する仕組みがつくられたことに、「じっとしていることができなかった」のです。
今また、安倍政権が戦争法案成立へ暴走を続けるなか、飯田さんは「あの時代と異なり、圧倒的な国民が安倍内閣と同調勢力のもくろみの危険に気づき廃案のために力を尽くしています」と希望を感じています。
(釘丸晶)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月20日付掲載

「とんとんとんからりと、となりぐみ♪♪」という歌があるように、庶民の生活に染み渡っていました。
一旦戦争が起これば、軍事費が増え、庶民の生活が真っ先に犠牲になります。

第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争② 流行小説も絵もダメ

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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争② 流行小説も絵もダメ

「物書きは、どちらかといえば左翼思想を持った危険分子とみられていたようです」。福島昭午さん(85)=北海道北広島市=はこう戦前・戦中のことを語りだしました。
父豊さんは、作家の広津和郎に師事し、1939年、最初の作品が芥川賞候補になり、注目を集めました。


福島昭午さん


『人間像』92号「漂流」


従軍記者の誘い
作家で友人の丹羽文雄が北海道を舞台にした歴史小説を書きたいというので、40年、2人で道内を回ります。旅の終わりに一人の男が近寄ってきました。
「作家の丹羽さんですね」。辺りをはばかる低い声を絞りだす男。「もしどこかで写真でも撮られたりすると、即刻ご足労をお願いするつもりでした」
男は2人を尾行していた特高警察でした。
「丹羽の作品は、不倫して逃げた母をモデルに男女の愛欲を描いたものでした。共産党だけでなく国民を弾圧する治安維持法が猛威をふるった時代は、流行小説すら許さなかった」と昭午さん。
ある詩人が訪ねてきたことがあります。文学者や言論人を侵略戦争に協力させる「文学報国会」に入って、従軍記者にならないかとの話でした。家は金に困っている時でしたが、話の途中で豊さんは怒りだし、「文学を軍に売るのはやめろ」と一喝しました。
教員を務めながら、昭午さんも物書きの道へ進みます。1949年4月、北海道で最初の同人誌、『人間像』を創刊します。74年2月には、豊さんの追悼号を出し、遺稿「漂流」を掲載しました。
「父は、無謀な戦争によって、筆を中断され、戦争で運命が狂ったことは間違いありません。戦争法案を押し通そうとする安倍政権は、45年8月15日以前の日本に戻そうとしています。私は、父より20年以上長生きしています。余生を憲法改悪反対に傾注したい」


菱谷良一さん

零下30度の独房
旭川市の菱谷良一さん(94)は、日常生活を忠実に表現した絵を描いただけで治安維持法違反にされました。恩師の旭川師範学校(現・北海道教育大学旭川校)美術教師の熊田満佐吾さんに続き41年9月に検挙され、真冬には零下30度にもなる独房に1年3カ月入れられました。
「警部は『おまえは共産主義を信奉しただろう』とビンタとどう喝で、うその自白や証拠となる手紙を書かせました。何も知らない少年が『共産主義者』に仕立てられました」
菱谷さんはいま、公民館の絵画教室で市民に絵を教えています。「私は、あの暗い時代の生き証人です。体の続く限り、戦争法案や秘密保護法の危険性をしゃべっていきます」
(名越正治)

治安維持法
25年4月、主権在民や反戦平和の主張を弾圧するため、普通選挙法と引きかえに導入され、廃止される45年までの20年間に逮捕者は数十万人を数えました。同法の弾圧が原因で命を落とした人は判明しているだけでも1682人にのぼります。

(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月21日付掲載

治安維持法は、共産主義者や社会主義者だけでなく、文学者や芸術家なども弾圧の対象になったのですね。
平和だからこそ、好きな小説も書けるし、絵も描けます。戦争法案は絶対に廃案に。

第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争③ 女学生 特攻機部品作り

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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争③ 女学生 特攻機部品作り

「君たちは、今日から三井玉野造船へ学徒動員で行くことになった」。1944年夏のある朝、岡山県玉野市の玉野高等女学校(現玉野高校)の校長が朝礼で梶尾玲子さん=当時(14)=らに命令しました。「女学生も戦地の兵隊さんに負けないよう頑張ること」
それまでも、登校しても授業はほとんどありません。近隣農場の田植えや草取り、軍服のボタンつけ、砲弾の材料をつくるため、金属を精錬所へ運搬することが日課でした。
「男だったら、特攻隊にいけるのに」と親友と話し合う「立派な軍国少女」だったという梶尾さん。けれども造船所の旋盤工場に配属され、閉口します。
指導員の職工の指導で女学生8人が従事。直径1センチ長さ5センチの金属の筒を作りますが、まともな物は1人1本ほどしかできません。何に使うのかと指導員に聞くと、「特攻機の部品だ」といいます。


梶尾玲子さん


勤労動員されていたころの梶尾さん(中央)=岡山県玉野市

兵士思い痛む心
「こんな粗悪な製品を使って敵艦に体当たりし、若い命を散らす特攻隊員のことを思うと、すごく悲しくなりました」と梶尾さん。
旋盤の仕事で困ったのは、胸から膝まで油まみれになることです。着替えもなければ、タオルもせっけんさえありません。工場の出入り口に、のこぎりくずを入れた大きな箱が置いてあり、そのなかで手をもんで油を吸わせる毎日でした。
「これが全然落ちません。真っ黒の手と顔で帰路の汽車に乗り、随分恥ずかしい思いをしました。当時は“ほしがりません勝つまでは”と戦意高揚標語の生活でしたが、せめて着替えがほしかった」

終戦が自由開く
終戦の翌8月16日、造船所内の竹垣をめぐらした宿舎の扉が大きく開かれ、働かされていた朝鮮の人たちが大声で叫びながら出てきました。玉野には1500人の朝鮮人がいた(『玉野市史』)との記録があります。
戦争に協力してきたとして、校長と教頭が追放されました。40すぎで召集された国語教師が学校に戻ってきました。戦時中、一言も口にしなかった英語教師がすらすらと英語をしゃべりだしました。
勤労動員からようやく解き放たれた現在85歳の梶尾さん。いま大好きな帽子をかぶり、語ります。
「女学生本来の勉強ができず、アジアの人々と私たち国民を苦しめた侵略戦争を『正しい戦争』だと、軍国主義に染めていった教育の恐ろしさを悔しくかみしめています」

【学徒勤労動員】
アジア太平洋戦争末期、労働力不足を補うために、中学校以上の生徒や学生が軍需工場や食料生産に動員されました。東条英機内閣が1943年6月、「学徒戦時動員体制確立要綱」を閣議決定。学徒動員による死亡者は1万966人、傷病者は9789人にのぼりました。(文部科学省『学制百年史』)

(名越正治)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月22日付掲載

勤労動員と言っても、梶尾さんの場合は空襲などにあわなかったので、まだよかった方でしょう。
英語の先生が、戦後、「すらすらを英語をしゃべりだした」って感動的じゃないですか。

第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争④ 民間人を標的に空襲

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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争④ 民間人を標的に空襲

第2次世界大戦の末期、日本全国400を超える市町村が米軍の無差別爆撃による空襲の標的になりました。
資料の収集・展示、証言の公開を行っている東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区・早乙女勝元館長)が、地域史をもとに集計した調べで明らかになっている民間人の犠牲者は20万3068人(2014年11月現在)です。
米軍は当初、軍事施設を標的にしていましたが、1944年末ごろから民間人を巻き込む国際法違反の無差別爆撃を本格化させていきました。


福岡大空襲を経験した首藤さん

死の予感よぎる
45年6月19日。米軍のB29爆撃機221機が福岡市上空に飛来しました。午後11時10分ごろから約2時間続いた爆撃で市内は焦土と化しました。『福岡市史』によると死傷者は2000人を超え、1万2693戸が被災したといわれます。
神奈川県鎌倉市在住の画家、首藤教之(しゅとう・のりゆき)さん(82)は、12歳のときに福岡大空襲を経験しました。
19日夜、警戒警報が空襲警報に変わりました。3番目の姉が防空壕(ごう)の外を見て「燃えてる!」と叫び、首藤さんも外へ出ました。市の中心部の空が真っ赤になり、花火のように光るオレンジ色の火の玉がいくつもゆらゆらと落ちていくのが見えました。「いよいよ来るものが来た…」と、死の予感が胸をよぎりました。
筑紫高等女学校の裏山へ家族と避難し、集まってきた人たちと明け方までじっとうずくまっていました。
首藤さんの自宅は焼け残りましたが、日本軍の高射砲弾によって屋根が突き破られていました。夜が明けた街を友人と歩き、息をのんだといいます。
「一面、茶色の焼け野原。博多湾の方まで見渡せるほどだった」
戦災資料センター戦争災害研究室の山辺昌彦主任研究員は「民間人を標的にした空襲は、戦闘意欲をなくすための戦略的爆撃です」と指摘します。「しかし、当時の政府は『国体護持(天皇制を維持すること)』のため、国民が大勢死んでも戦争をやめなかったのです」
空襲による被害が拡大した原因に、1937年に制定された防空法があります。市民に退去禁止と消火義務を負わせました。当時の「防空新聞」には、「案外、消しやすい」「少しも危険はない」などの見出しが躍ります。


首藤さんが福岡大空襲のあった年(1945年)の秋に描いた絵「思ひ出 六月十九日」


東京大空襲(1945年3月10日)で使われたM69焼夷(しょうい)弾。中に38発の子爆弾が組み込まれています=東京大空襲・戦災資料センター、東京都江東区

補償は何もない
今年100歳になる杉山千佐子さん=名古屋市=は「防空法でがんじがらめにされた。私は顔の半分、片腕、足を失いました」と証言します。
親を失った孤児や、障害を負った人など空襲被害の苦痛に対する補償は、いまもなお何もないため、「空襲被害者等援護法(仮称)」の制定を求める運動が起こっています。
首藤さんはいいます。「当時の軍歌で“東洋平和のためならば、なんで命が惜しかろう”という歌がありました。今の安倍政権がいう『積極的平和主義』と似ていると思うんです。本質をごまかす言葉の使い方は同じでしょう。戦争経験者として絶対に納得できません」

【焼夷(しょうい)弾】
火災を起こさせることを目的にしたもので、中身は爆薬ではなく油脂ガソリン。1個の親爆弾に込められた数十個の子爆弾が上空で散らばります。中のゼリー状の油脂ガソリンに着火すると一面が火の海になりました。米軍は、米・ユタ州の砂漠に日本の木造家屋を建て燃焼実験を行っていました。

(仁田桃)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月23日付掲載

戦前の「防空法」は本当にひどいものです。「空襲で火災になったら逃げるな」って言うんですから。「何のための空襲警報なの?」と思ってしまいます。
「案外、消しやすい」「少しも危険はない」という嘘っぱちで…。

第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争⑤ 疎開「おなかすいたよう」

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第2次世界大戦終結70年 庶民にとっての戦争⑤ 疎開「おなかすいたよう」

太平洋戦争末期、小学校(国民学校)3~6年生の子どもたちが親元を離れ、地方へ移住させられました。学童疎開です。東京、横浜、名古屋、大阪など全国17の都市に住む子どもを農村へ、沖縄や鹿児島の離島の子どもは本州へ、約70万人もの移動でした。

「国防力の培養」
学童疎開は、太平洋のサイパン島が米軍に占領され、B29の空襲が本州全域で可能になるもとでの方針でした。
政府は1944年(昭和19年)6月に「学童疎開促進要綱」を閣議決定しました。親戚や知人を頼る「縁故疎開」を原則としつつ、縁故がない子どもも学校単位で疎開するとしました(「集団疎開」)。45年には空襲が激しくなり、1、2年生も対象にする「根こそぎ疎開」が行われました。
その目的は、子どもを守ることではありませんでした。大達茂雄東京都長官(当時)は44年7月に開いた都下国民学校長会議で、「帝都の学童疎開は、其の防空態勢の強化であり、帝都将来の国防力の培養でありまして、帝都学童の戦闘配置を示すもの」と述べました。当時の新聞は「防空足手まとひを残すな」と報じました。足手まといの子どもを地方に移し育て、将来の兵士にするというものです。
沖縄では、地上戦に備え、九州に向かった疎開船「対馬丸」が米潜水艦に撃沈され、児童780人を含む1485人が亡くなるという悲劇もありました。
親と離され、子どもたちは寂しさをつのらせました。食糧不足で空腹に苦しみ、絵の具や歯みがき粉をなめる子まで現れました。
小学5年のとき、東京都豊島区から長野県に集団疎開した高橋登女恵さん(82)は、2歳違いの弟と一緒でした。「『ねえちゃん、おなかすいたよう』と弟が毎日甘えにくる。そのことを知った先生は弟を『たるんでいる』と投げ飛ばす。本当につらかった」と言います。
ボス支配、仲間はずれ、暴力…、いじめがまん延しました。不衛生から、ノミやしらみがわき、性感染症の集団発生もありました。
「うちに帰りたい」と脱走する子どももいました。東京都荒川区から福島県に集団疎開した小林奎介(けいすけ)さん(83)は当時、小学6年生。4年の男子が逃げ出し、6年生男子全員が集められ、山狩りのようなことをさせられました。「静岡に集団疎開した女子2人が貨車にもぐりこんで発見が遅れ、亡くなった事件もありました」


福島県熱海町(現在の郡山市)に集団疎開し、乾布摩擦をする荒川・第一日暮里国民学校の子どもたち=1944年(小林奎介さん提供)

次世代に伝える
いま、こうした体験を伝えるさまざまな取り組みがあります。
体験者でつくる全国疎開学童連絡協議会は証言や絵物語を掲載したホームページを開設。「戦後を戦前にしないために私たちの体験を伝え、『戦争国家』への道を防ぎたい」と阪上順夫(のぶお)会長は語ります。
前出の小林さんは、1200冊の蔵書などを持つ学童疎開資料センター代表を務めます。「子どもたちに戦争の苦労を二度とさせたくない」と仲間と一緒に資料収集や展示・語り部活動に力を入れています。

【メモ】
残留児童も3分の1「集団疎開」では、保護者は、子ども1人につき月10円の負担が必要でした(当時の大卒社員の初任給は75円)。家計が苦しく都市に残った子どもも約30万人。対象児童の3分の1以上になりました(1944年12月末)。

(君塚陽子)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月24日付掲載

疎開船「対馬丸」の事件はあまりにも痛ましいものです。本来なら安全を確保するための疎開が、逆にメンタルや不衛生な問題も発生して、亡くなったりした子どももいたのですね。

「風力・太陽光で5割可能」 IEA報告書からみえる 安倍政権の異常

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「風力・太陽光で5割可能」 IEA報告書からみえる 安倍政権の異常

追加費用なしに風力と太陽光で電気の5割が賄える―。国際エネルギー機関(IEA)が昨年出した報告書は、電力の世界で現在起きている激変を伝えます。原発依存と再生可能エネルギー抑制に進む安倍晋三政権の異常さがみえてきます。

温暖化防止 唯一の選択肢
IEAの報告書のタイトルは「電力の変革」です。内容から、地球温暖化防止には風力と太陽光発電の普及が不可欠であり、そのためには電力システム全体の変革が必要だという意図が読み取れます。
IEA事務局長による序文は“地球の気温上昇を2度未満に抑えるために、われわれには行動を遅らせる余裕はない”と述べます。
報告書は、2度目標を実現するうえで再生エネは「電力部門における唯一の選択肢」だと強調。再生エネの大半を占めるのが風力と太陽光だといいます。
風力と太陽光の出力は季節や天候で変動します。報告書は、変動する再生エネの普及には、既存の電源に再生エネを付け加えるという従来の発想ではなく、電カシステム全体を変革するという「観点の変更」が必要だといいます。
一方、安倍政権が昨年決定した「エネルギー基本計画」は、火力や原発を従来型の3類型の電源(表)に当てはめ、風力と太陽光は3類型に付け加えられる“おまけ”の位置づけです。
安倍政権はまた、大量の二酸化炭素を排出する石炭火力発電を原発と並ぶ重要なベースロード(ベース)電源と位置づけます。IEA報告書は“二酸化炭素排出が多く、柔軟性のないベース電源は低炭素化目標に合致しない”と指摘します。明示はしていないものの、石炭発電を指しているとみられます。


タイ・ナコンラチャシマ県の大規模な太陽光発電場(ロイター)

安倍政権の各電力の位置づけべ一スロード電源費用が安く安定的原発、石炭、一般水力、地熱ミドル電源ベース電源に次いで安く、出力調整可能天然ガス火力ピーク電源費用は高いが出力調整は容易石油、揚水式水力風力、太陽光費用が高く不安定

追加費用なし 電力価格の引き下げも
20年間で大きな技術改良
日本の財界は、再生エネは「非効率、不安定、高コスト」だといい、大幅な導入に反対しています。安倍政権が今月決定した「長期エネルギー需給見通し」も、財界の意向を反映し、2030年の電源構成に占める風力と太陽光の割合を8・7%に抑えました。
これに対し、IEA報告書は、風力と太陽光は過去20年間で大きな費用低減と技術改良を実現したと指摘します。風力と太陽光を45%まで高めることは「長期的には費用の大きな増加なしで実現できる」といいます。
「長期的には追加費用はゼロとなる可能性がある」「普及が全く進まない場合より費用を低減できる可能性もある」との記述も。日本は水力が約1割を占めているため、IEAの想定を当てはめると6割近い電力を追加費用なしで再生エネで賄えることになります。
報告書は、再生エネが電力の市場価格を引き下げる効果にも注目します。効果は「多くの欧州市場で確認できる」とし、ドイツでは07~10年の間に1メガワット時あたり平均5~6ユーロ(約675~810円)ほど価格を下げたといいます。
再生エネは不安定か。報告書は、電力需要が常に変化している上、全ての電源は予期できない事故停止を起こすため、風力や太陽光の変動性は「電力システムにおいては新しいことではない」といいます。既存の電力システムの柔軟性を考えれば、現状の設備でも25~40%の導入は可能だといいます。

ベース電源は縮小の一途
報告書は、風力と太陽光の普及が進むと、先進国のように電力需要の伸びない地域では既存の電源との間で電力需要の奪い合いが起こり、価格競争によって燃料費が高い電源が市場から撤退していくと分析します。
また、風力と太陽光の変動性に合わせるため、火力など既存の電源は大幅な出力調整と起動停止が必要になると指摘します。出力調整のできないベース電源の比率が減り、調整が容易なピーク電源とミドル電源が増えていくといいます。
安倍政権は逆に、ベース電源を現在の4割から6割に引き上げるとし、そのための電源として原発と石炭を重視しています。
報告書は、出力調整の回数増加による費用負担を小さくするには、柔軟性の低い電源から高い電源への置き換えが必要だと指摘します。原発と石炭は一般に柔軟性が低いとされます。
報告書は、風力と太陽光の導入率が一定水準を超えると「ベース電源はもはや費用効果的ではなくなる」と結論付けています。
報告書はまた、電力需要が伸びている途上国では、電力システムを再生エネに適した形で設計することで、再生エネの普及がスムーズに進む可能性があるといいます。
安倍政権が進める原発や石炭発電輸出は、安全面や環境面での悪影響だけでなく、途上国の電力システム設計をゆがめることにつながります。途上国での再生エネの普及を妨げ、発展を阻害します。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月28日付掲載

再生可能エネルギーは安定しないというが、それはほかの電源でも同じ事と言う。「ベストミックス」と言うなら、再生可能エネルギーと出力調整の容易な天然ガスや石油での発電のミックスが良い。
原発や石炭をベースロード電源としてしまったら、太陽光や風力などの再生可能エネルギー普及の障害になる。

わたしの『やめて』 京大有志の会声明書 子ども向け訳が好評

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わたしの『やめて』 京大有志の会声明書 子ども向け訳が好評

京都大学の教員らでつくる「自由と平和のための京大有志の会」が発表した安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明書がSNSなどで拡散する中、子ども向けの訳「わたしの『やめて』」にも「ぼくの気持ちにぴったり」「このまま絵本になりそう」と反響が広がっています。
訳したのは、埼玉県在住の予備校講師、山岡信幸さん(51)です。インターネットで声明を読み、感銘を受けたという山岡さん。「『安保』法制だけでなく、原発問題、特定秘密保護法、アジア外交、教育の保守化など、日本政治の危険な潮流全体を射程に入れた声明だと思います」と語ります。
全文ひらがなで、やさしい言葉に置き換えられた子ども語訳。自身の3人の子ども(8歳、5歳、3歳)を思い浮かべながら訳しました。賛同の声やツイッターなどでは「子ども(園児)も『こども版』を一生懸命読んでいました」「家庭や教室で、たくさん読まれてほしい」などの声が上がっています。
山岡さんは「思わぬ評価ですが、ひとえに原文の格調の高さによるものだと思います。声明書が広く伝わることに少しでもお手伝いできたのなら幸いです」と話しています。

わたしの『やめて』
くにと くにの けんかを せんそうと いいます
せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」
という だれかの いいわけで はじまります
せんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせます
せんそうは はじまると だれにも とめられません
せんそうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしい
せんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめます
せんそうは てや あしを ちぎり こころも ひきさきます
わたしの こころは わたしのもの
だれかに あやつられたくない
わたしの いのちは わたしのもの
だれかの どうぐに なりたくない
うみが ひろいのは ひとをころす きちを つくるためじゃない
そらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない
げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりも
こころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい
がっこうで まなぶのは ひとろろしの どうぐを つくるためじゃない
がっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃない
がっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない
じぶんや みんなの いのちを だいじにして
いつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したい
でも せんそうは それを じゃまするんだ
だから
せんそうを はじめようとする ひとたちに
わたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ
じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月29日付掲載

これは良いですね。
「原文の格調の高さ」と謙遜されていますが、「子ども語」訳のセンスもなかなかのものです。

「安倍家の誇り継いで」 共産・小池氏が、地元の声を取り上げて追及

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「安倍家の誇り継いで」 共産・小池氏が、地元の声を取り上げて追及

安倍家の誇り継いで
安倍家の誇り継いで posted by (C)きんちゃん

「総理は、自身の地元中の地元からの厳しい声をどう受け止めているのか」―。小池氏は、安倍晋三首相の祖父、安倍寛(かん)氏の出身地である故郷、山口県長門市油谷(ゆや)・日置(へき)地区の浄土真宗本願寺派山口教区大津西組(にしそ)の組長(そちょう)が戦争法案の廃案を求める手紙を首相に送ったことを紹介しました。そこにこうつづられています。
「貴殿の祖父、安倍寛氏は、戦争遂行の翼賛体制の中、理想を求め反戦の立場より翼賛体制に染まることなく批判し、無所属で立候補し見事当選されました。御尊父、晋太郎氏は『俺は安倍寛の息子だ』と父を誇りとされていたとのことです。なぜ貴殿が安倍家の誇りを大切にされず受け継がず、日本を危険な方向へ導かれるのでしょうか」
この手紙は首相の地元事務所に届けられたといいます。
小池氏の質問に首相は「地元にもさまざまなご意見がある。そうした意見に真摯(しんし)に耳を傾けることは、地域の代表、国会議員の役目だ」と述べ、「今回の法制は間違いなく、国民の命を守り平和な暮らしを守りぬくためのものだ」と強弁。首相は故郷からの声もまともに受けとめようとしません。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月30日付掲載

安倍寛は知りませんでしたが、安倍晋太郎と言えば僕の大学時代に応援していた共産党候補とたたかった相手です。当時は中選挙区制でしたが、安定して当選していて憎い相手でした。
かつては憎い相手が、安倍首相を見ると「安倍家の誇り」とまで見えてくるとは不思議なものです。

北米初の海上風力発電所 住民も歓迎 建設が本格的に開始

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北米初の海上風力発電所 住民も歓迎 建設が本格的に開始

北米初の海上風力発電所の建設が、米国北東部のロードアイランド州で27日、本格的に開始しました。
ロイター通信による、風力タービン5基からなる3万キロワットの風力発電所は同州のブロック島の沖合約4・8キロに1年以上かけて建設されます。




海底に据え付けられた風力タービンの基礎と作業にあたるクレーン=米ロードアイランド州ブロック島沖(ロイター)

海上風力発電は、欧州では1990年代から建設が始まり、すでに約2500基が実用運転しています。しかし米国では、コストや景観への懸念のほか、鳥やクジラへの影響などから普及が進んできませんでした。
マサチューセッツ州ナンタケット湾では、130基の風力タービンを備えた洋上風力発電所が早くから計画されてきましたが、地元の反対で中断。デラウェア、ニュージャージー、ニューヨークの各州でも計画がとん挫しています。
ブロック島の風力発電は、小規模で資金調達も容易であり、州政府も前向きでした。同島では、1000世帯が高価なディーゼル発電に頼っています。風力発電によって電気代が4割下がるとの試算もあり、住民も歓迎しています。
退職後、島に移住してきたデービツド・ケーンさんは、「全国で最も高い水準の電気代を払ってきた。これでずいぶん助かるよ」と語ります。
建設には、仏の銀行ソシエテ・ジェネラルと米国の銀行が合わせて3億ドルを融資。完成後は、海底ケーブルでロードアイランドの本土に電力を送り、1キロワット時当たり26セント(約32円)でナショナル・グリッド社が購入し、6~10セントの他の電力と合わせて同州各地に供給されます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月30日付掲載

海上風力発電の建設って、北米では初めてなんですね。コストなどの面で進んでいなかったといいますが、高い電気代が安くなるってことで導入って、いかにもアメリカらしい…。

コンビニ 便利さの陰に① 加盟店が犠牲になる

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コンビニ 便利さの陰に① 加盟店が犠牲になる

コンビニエンスストア(コンビニ)は全国で5万店を超えます。24時間、多彩な商品とサービスを備え、人々により身近な存在になっています。しかし、店主の手取りはわずかです。従業員にも十分な賃金が払えず、利益は本部に吸い上げられています。(川田博子)


兵庫県姫路市内の国道に面したファミリーマート。深夜2時、店内には店長の酒井孝典さん(54)1人だけです。から揚げを揚げるフライヤーの油を抜き、黙々と中を洗います。
酒井さんは11年前に脱サラして開店しました。夫妻で専業的に業務に従事すること、24時間、年中無休の営業をすることが契約の前提になっていました。酒井さんは、「収入を少しでも多くしたい」と人件費の節約のために従業員を減らし、その分、自分と妻が働きました。妻が日中、みずからが深夜の勤務に入りました。




店舗に商品を届ける配送車=埼玉県(画像の一部を処理しています)

時給換算で401円
2012年には、酒井さんが1カ月平均288時間、妻が同219時間働きました。夫妻が1年間に働いた時間は6084時間、年間所得額は243万8639円。時給換算するとわずか401円でした。
現在は酒井さんが週6日、深夜勤務の体制に入り、妻が経理等を担当しています。深夜勤務明け後には、発注業務や従業員の管理、新キャンペーンの販売促進の準備など店長としての業務が待っています。仮眠時間は3時間から4時間。まともな睡眠や食事を取れず家族とすれ違う毎日、“健康で文化的な生活”とは程遠い生活です。しかし、酒井さんの手取りは月30万円弱です。

本部への上納金
「従業員の数や勤務時間を減らし、店主や家族が働いても働いても、手取りは増えない。根本には、高額のロイヤルティー(加盟店からコンビニ本部への上納金)の問題がある」
コンビニはフランチャイズ(FC)の1業種です。
フランチャイズの仕組みは、事業を始めようとする事業者がフランチャイズ本部と契約を結び、加盟店となります。加盟店は、「独立した事業者」として必要な設備や家賃、雇用する従業員の賃金を負担。本部の商標使用、商品開発、経営指導などの提供を受け、その対価として、定められた率のロイヤルティーを本部に払います。
コンビニの開業を希望する人が本部と交わす契約書には、加盟店が契約を続ける限りロイヤルティーを本部に支払うことや「24時間、年中無休」営業をすることが書かれています。
2000年以降、加盟店店主が本部に対し、契約時にロイヤルティーについて十分説明されなかった、加盟店仕入れ明細を加盟店に開示する義務がある、見切り販売の妨害行為によって損害を被った―などと裁判を起こしました。
09年6月には、セブンーイレブン・ジャパンが加盟店の値引き販売を制限した行為が独占禁止法違反にあたるとして、公正取引委員会が、速やかに違反行為をやめさせるための「排除措置命令」を下し、同本部はこれを受け入れました。
加盟店店主でつくる「全国FC加盟店協会」の植田忠義事務局長は言います。「コンビニは成長・発展し続け、生活総合サービスとよばれる状態になっています。しかし、“個々の加盟店の犠牲のうえに成り立っている”仕組みは、何ら変わっていません」
(つづく)(7回連載の予定です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月30日付掲載

時給換算で賃金が低いっていうのは聞いていましたが、401円というのはひどいですね。
問題は、異常な長時間労働をしないとやっていけないこと。省エネの今日、24時間営業を見直すことも必要なのかもね。

コンビニの便利さの陰に② 赤字でも高率の上納金

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コンビニの便利さの陰に② 赤字でも高率の上納金

コンビニの扱うサービスは、税金の振り込み、チケット購入や資格試験の申し込み、インターネット通販で購入した商品の受け取りなど急増。いまやコンビニは“総合生活産業”です。
アサヒビールのお客様生活文化研究所の調査によると、コンビニの利用頻度は「週2~3回」が3割、「週1回」「週4回以上」がそれぞれ2割でした(20歳代以上の1800人が回答=2014年7月)。

現金一切残らず
セブン-イレブン・ジャパン本部は各加盟店にコンピューター機器等を貸与し、数値データ・文字などの多様な情報を加盟店に提供しています。一方、加盟店への商品の納品数や廃棄数、商品販売状況、従業員の出・退勤時間など全てを本部が掌握・管理しています。
オーナー(店主)はその日のうちに、商品売上高、公共料金および入金手数料、チケット販売額などの売上金全額を本部に送金しなければなりません。オーナーの手元には現金は一切残らず、本部が全面的に管理する仕組みです。
毎月上旬、本部から各オーナーに、売上高合計、従業員の人件費や水光熱費などの営業費合計などが書かれた「損益計算書」が届きます。オーナーには、前月の売上高に応じて、加盟店に保障されるその月の取り分「オーナー引出金」(加盟店の給与のようなもの)が送金されてきます。
ある東北地方のオーナー(63)の場合、4月の売上高は約1600万円、1日約53万円でした。しかし、5月下旬、送金されてきた「オーナー引出金」は、妻の分も合わせて33万円でした。売上高は大きいのに、なぜ店主の利益がこんなに少ないのか。背景には、コンビニ業界独特の「コンビニ会計」の仕組みと、本部へ支払わなければならない上納金、ロイヤルティーが高率で課せられる問題があります。


街のいたるところで見られるコンビニの看板

廃棄を全額負担
「コンビニ会計」では、加盟店は、売れ残って廃棄した商品の原価を全額負担しつつロイヤルティーを本部に支払います。売り上げが伸びない一方、経費がかさみ加盟店の利益がマイナスになった場合でも、本部には必ずロイヤルティーが入る仕組みです。
しかも、加盟店が売り上げを伸ばせば伸ばすほど、本部に吸い上げられるロイヤルティーの率が高くなります。
セブン-イレブン・ジャパンの場合、開業にあたって本部が土地と建物を提供した店舗の基本ロイヤルティー率は、1カ月の粗利益が250万円以下の場合は56%、250万円超~400万円以下が66%、400万円超~550万円以下が71%、550万円超が76%と累進制になっています。
コンビニ大手のローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス各本部の会計の仕組みも、セブン-イレブン・ジャパンとほぼ同様です。加盟店が本部に上納するロイヤルティー率は低い場合でも30%台です。
関東のファミリーマートの店長(65)は言います。
「契約時にロイヤルティー率が高いと感じたが、自分が働いた分収入を得られる仕事だと始めた。しかし、頑張って売上高を伸ばしても自分の収入は横ばい。それどころか経費がかさんで赤字になった月でも、本部はロイヤルティーをしっかりとっていく」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月31日付掲載

売り上げを上げれば上げるほど、自分が儲かるのではなく、本部が儲かる仕組み。
それに、賞味期限の切れたお弁当や総菜など廃棄費用は全部自分持ち。これでは大変ですネ。

反核・平和二つの「大会」 しんぶん赤旗取材班から

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反核・平和二つの「大会」 しんぶん赤旗取材班から

○…いまから61年前の1954年3月、アメリカが太平洋ビキニ環礁で強行した水爆実験に遭遇し被災した第五福竜丸などのビキニ事件は、翌55年にいまに続く二つの反核・平和の「大会」を生みだしました。ひとつは、「原水爆禁止に関する世界の世論を確立する」ことを目的にすすめられた草の根の署名運動に支えられて広島で開催された「原水爆禁止世界大会」です。もうひとつは、母親・女性が手をつなぎ「核戦争から子どもを守ろう」と始まった「日本母親大会」です。
○…二つの大会は毎年開かれ、「ノーモア、ヒバクシャ」「ノーモア、ウオー」と訴え続けてきました。ここに、安倍政権の「戦争する国」づくりに反対する運動が空前な規模で盛り上がりをみせている、ひとつの地下水脈をみる思いです。
○…「連帯をいっそうつよめ、子どもたちに『核兵器のない平和で明るい未来』を手渡すために、ともに力をあわせよう」とアピールを採択した日本母親大会。「戦争する国」づくりノーの母親・女性たちの熱い願いを胸に広島で取材を続けます。
(活)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月3日付掲載

ビキニ水爆実験被爆の翌年から、「原水爆禁止世界大会」と「日本母親大会」が、営々と引き継がれ開催されてきた。
それが今、安倍政権の「戦争する国」づくりに反対する運動が空前な規模で盛り上がりをみせている、ひとつの地下水脈になっている。

徹底批判!戦争法案 「戦闘が発生しないと見込まれる場所」とは?

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徹底批判!戦争法案 「戦闘が発生しないと見込まれる場所」とは?
戦闘地域の中に「安全」はない

戦争法案は、自衛隊の活動地域を「戦闘地域」にまで広げ、「後方支援」の名で弾薬の補給、武器の輸送など米軍の戦争の兵たんを可能にしています。
これによって自衛隊員が「殺し殺される」重大な危険にさらされる―。7月29日の参院安保法制 特別委員会で日本共産党の小池晃参院議員は、米国のアフガニスタン報復戦争、イラク侵略戦争で兵たんに従事した米軍の死傷者が、3000人を超える事実など、戦場の現実の危険を突きつけました。

法案に記述なし
小池氏の批判を意識して自民党は7月30日の特別委で「米軍のアフガスタンでの死傷者や(道路に仕掛けられた)IED(即席爆発装置)の例を出して、法制下で自衛隊が行う活動が非常に危険であるかのような決め付けがなされた」(森まさこ議員)と質問。安倍晋三首相は「自衛隊が活動する実施区域の指定にあたっては、自衛隊が現実に行動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を指定する。安全な場所で活動を行うことについては、イラク派遣の場合と変更はない」などと繰り返しました。
しかし、「戦闘行為が発生しないと見込まれる場所」には、法律上の根拠はありません。これは小池氏が繰り返しただした追及に中谷元・防衛相も「法案の記述はない」と認めました。法案上は、防衛相の「安全実施」の配慮義務があるだけなのです。
そもそもIEDなど、予測不可能な攻撃実態に対し、「見込み」を立てるから大丈夫という言い分に、説得力はありません。



「安全な活動場所」のごまかし
 非戦闘地域戦闘地域内の「非戦闘地域」活動期閤を通じて戦闘がないと認められる地域現実に活動する期間、戦闘が行われないと見込まれる場所明文の根拠イラク特措法2条3項などなし国会承認必要不要(基本計画ではなく実施要項)期間半年(明文根拠はない)2カ月(短期間)(明文根拠はない)「現実に活動する期間」危険性戦闘がないと認められる発生しないと見込まれる活動範囲「地域」「区域(場所)」

戦闘の可能性も
テロ特措法やイラク特措法に明記されていた「非戦闘地域」が「活動期間を通じて戦闘がないと認められる地域」であるのに対し、戦争法案ではこれを撤廃したうえで「現実に活動する期間、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所」とします。両者の言葉の違いを見ると、安全論はごまかしだらけです(表)。
―自衛隊が活動を予定する期間全体(半年)で見れば危険はあるが、「現実に活動する期間(2カ月)」を取りだせば安全なのか。
―地域全体で見れば危険はあるが、「区域」「場所」で見れば安全なのか。
―全体として危険性のある地域である以上、戦闘がないと「認められる」とはいえないが、「見込まれる」といえるので安全なのか。
安倍首相自身、「戦闘がないと見込んでいても、そうでなくなる可能性はある」と認めています。
「戦闘地域の中に非戦闘地域がある」というに等しいごまかしと危うさがあります。活動地域についての国会承認も必要とされません。
(中祖寅一)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月3日付掲載

元々、戦場に前線と後方などと線が引かれているわけではないのに、「非戦闘地域」だから安全と言っていた。
今度は、「戦闘地域」の中にも安全な場所があるって事で、自衛隊を送り込もうって事だ。
このごまかしを許してはならない。

コンビニ 便利さの影に③ 大量廃棄が日常化

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コンビニ 便利さの影に③ 大量廃棄が日常化

コンビニ本部は、加盟店に商品を大量に発注させることで売り上げを伸ばします。売れ残っても、しわ寄せは加盟店が受けるだけです。そのため、過剰注文、大量廃棄が日常化しています。

「発注量増やせ」
セブン-イレブン・ジャパンの鈴木敏文会長は、「経営の最重要課題は機会ロスをなくすこと。値下げロス、廃棄ロスではない」(『鈴木敏文考える原則』)と強調します。つまり、「機会ロスも発注が原因となって起こるもので、発注が少なすぎて、品切れ、欠品を起こし、結果として売る機会を逸したということ」「お客さまの欲しいと思っている商品を切らして機会ロスを出していては、売り上げも上がらない」というのです。
鈴木会長はこの考えを社員はもちろん、加盟店にも徹底してきました。
東北地方の店舗のオーナー(店主)、新沼幸一さん(仮名、53歳)は、1日平均商品廃棄額(売価)を約1万円に抑えていたとき、店舗経営相談員から発注量を増やすよう促されたことがあります。「他店は毎日、廃棄を2万円出している。それぐらい廃棄を出さなければ、品ぞろえがしっかりしない」というのです。
他のオーナーも店舗経営相談員に、「どの時間にお客さまが来店されても選ぶ権利に差が出ないよう、品ぞろえを充実させなさい」「いつ店に行っても、商品が棚を埋めて並んでいるのが理想です」などと指導されてきました。
関西のある店舗のオーナーが記録を見直すと、おにぎりや弁当、冷蔵デザートなど、1週間で廃棄された商品の金額(売価)は約12万6000円、総重量は91・5キロでした。年間約4700キロの食品が捨てられてられていることになります。


コンビニで売られているさまざまな商品

「見切り販売」
東北地方の店舗のオーナー、鳥海敬さん(仮名、65歳)は今年6月から、ドーナツを扱い始めました。10日間に仕入れたドーナツ約2100個のうち、廃棄分と試食用に使った分は約620個、3割近くになりました。
「店舗経営相談員は『お客さまはコーヒーと一緒にドーナツを必ず買っていく』と言うけど、そんなことないね。毎日、廃棄の山だ」と、鳥海さんは肩を落とします。
セブン-イレブン加盟店では、1日9回、消費期限をチェックします。消費期限2時間前を切った商品は廃棄します。鳥海さんの店の場合、6月以降の1日平均商品廃棄額(売価)は2万5000円。前月までの1日平均2万円を大きく上回りました。
消費期限が迫った商品を値引きする「見切り販売」を行うオーナーもいます。関西の店舗のオーナー、片山祐一さん(仮名、50代)もその一人です。「廃棄する商品が減って、オーナーは利益が増え、お客さまにも『安い方がいい』と喜んでもらえる。ごみの量も減り、環境にもやさしい。いいことだらけだ」と言います。
セブン-イレブン・ジャパンは、「本部は『見切り販売』がダメだとは言っていない。各オーナーが自分の判断でやっている。それを止めることはない。しかし、あくまで適正な発注があって売り切る努力をすることが前提でなければならない」(広報センター)と言います。
2009年からは、商品廃棄額(原価)の15%を本部が負担するようになりました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月4日付掲載

「機会ロス」とは。客が欲しいという品物を切らせてはいけないといが、元々コンビニは多品種、少量の販売を目的とした店舗。
一時の集中で品物が切れるってことはよくある事。
以前は「値引き販売」を認めてこなかったが、コンビニオーナー会の粘り強い運動で可能になった。

「戦争したくない」は当然~シールズ関西の院生 自民・武藤発言に批判広がる

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「戦争したくない」は当然~シールズ関西の院生 自民・武藤発言に批判広がる

自民党の武藤貴也衆院議員(36)=滋賀4区=がインターネットの短文投稿サイト・ツイッターで、戦争法案に反対する「SEALDs」(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)について「自分中心、極端な利己的考え」と非難した問題に、批判が広がっています。
「椙手にするだけの価値もない。『戦争したくない』と思うのは当たり前の感情で、何がいけないのでしょうか」とあきれるのは、シールズ関西の塩田潤さん(24)=神戸大学大学院2年=。「戦争法案は、NGO(非政府組織)など草の根の活動で、国際貢献してきた人たちを真っ先に危険にさらします」と批判し、「僕たちは個人が個人の思いで声をあげ、行動することが民主主義の根幹だと考えています。それを否定するのは民主主義を否定するもの」と憤ります。
日本共産党滋賀県委員会事務所には4日朝、福岡市の男性(38)から電話があり、「祖父母と、2歳だった父は、長崎で被爆しました。戦争で多くの人が苦しめられたのに、武藤発言は本当に腹が立つ」「自民党に未来は託せない。法案を廃案にするために力を合わせて頑張りましょう」と話しました。兵庫や愛知の人からも「武藤発言は許せない」と電話がありました。

滋賀で新婦人・県商連が抗議
新日本婦人の会滋賀県本部は同日、憲法違反の戦争法案に反対する若者を非難する議員こそ、国会議員の資格が間われると、武藤議員に抗議文を送付しました。
滋賀県商工団体連合会も同日、「憲法を破壊し、戦前思想に戻したいという過去の人物」であり、「議員の資格はない」との抗議文を武藤議員に送付しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月5日付掲載

戦争法案で、NGOなど地道に国際貢献している人たちが真っ先に狙われる。「戦争したくない」は当たり前の感情です。

コンビニの便利さの陰に④ 増え続ける店主負担

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コンビニの便利さの陰に④ 増え続ける店主負担

本部へ支払わなければならない高率の上納金・ロイヤルティーのため、多くのコンビニ加盟店店主は低収入に苦しんでいます。
コンビニサービスが多様化して労働が過密になっているにもかかわらず、従業員の賃金や福利厚生を充実できない店主の実情があります。

人手のとり合い
庄司正俊さん(63)は仙台市若林区内で32年間、セブン-イレブンの店舗を経営してきたベテランオーナー(店主)です。
従業員は正社員1人のほか主婦や学生11人。365日24時間営業をするために必要な人数・20人に足りません。庄司さんがオーナーの仕事以外に週3日ほど従業員の勤務体制に入るとともに正社員がフルタイムで働くなどし、なんとか店をまわしています。これまで求人誌やインターネットでアルバイト募集の広告を出してきましたが、見つかりません。
「各社が大量出店する下、市街地はコンビニだらけだ。人手のとり合いが起きている。コンビニサービスが多様化して業務量が増え、『時給の割に忙しい』と敬遠する人も多い」
従業員の日中の時給は宮城県の最低賃金710円を少し上回る750円です。「業務がきつく無理をお願いしている中、時給を上げたい」思いはありますが、ままなりません。さらに、庄司さんが頭を悩ませるのが、社会保険料の負担です。日本年金機構から社会保険加入の働きかけが強まる中、5月から庄司さん夫妻と正社員従業員が社会保険に加入。保険料の負担が月約19万円増えました。
「30年間で、従業員の時給は約1・7倍に。さらに、光熱費の高騰に社会保険と、オーナーの負担は増えるばかり。一方、本部へのロイヤルティーは椙変わらず高率だ。とてもやっていけない」―庄司さんは悲鳴をあげます。


コンビニで買い物をする人=東京都内

「支援策が必要」
関西のファミリーマートの店主、佐々木英二さん(仮名、56歳)も人手不足に悩みます。ファミリーマート本部の集中出店戦略によって、自分の店の半径約500層の圏内にファミリーマートの店舗が6店、他本部のコンビニが5店あります。
どうしても夜勤の従業員が見つからず、53歳の男性を採用しました。しかし、宅配便や贈り物の受け付け、レジでのさまざまなカードによる支払いなど多様化、複雑化するサービスを覚えきれず、すぐに辞めてしまいました。人材派遣会社を利用し、なんとか窮地を脱しましたが、日中の時給が1700円、夜勤の時給が2000円と、アルバイトの時給840円と比べて高額な負担となりました。
「全国FC加盟店協会」の植田忠義事務局長は「人手不足打開のためには、コンビニ各本部の出店計画の下方修正とオーナーの意思にそっての24時間営業の見直しが必要です。本部から人手不足の加盟店への社員の無償派遣、ロイヤルティー見直しによる人件費上昇分などの加盟店への利益還元も求められています」と話します。
社会保険未加入間題についても、「法律通りに加入すれば、ほとんどの加盟店は赤字になってしまう。加入しなければ従業員から“ブラック企業”と見なされます」と問題点を指摘。「加盟店が安心して従業員の待遇改善に取り組めるよう、社会保険料の負担軽減のための支援策が必要です」とのべます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月5日付掲載

コンビニは人材不足。それに社会保険料の負担が重しに…。コンビニと言っても本部は大企業ですが、それぞれの店舗は個人経営の零細企業。社会保険料の公的援助は切実な問題ですね。

コンビニ 便利さの陰に⑤ 契約解除は店主の脅威

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コンビニ 便利さの陰に⑤ 契約解除は店主の脅威

セブン-イレブン・ジャパンは、加盟店のオーナー(店主)は「ビジネスパートナーであり、独立の事業主でもある」とし、「お互いに強い信頼感を基盤とした良好な関係を構築していくことが、当社の最大の責務です」と言います(同社ホームページ、社員行動規範〈抜粋〉)。
しかし、オーナー側からは、こんな声が聞こえます。
「本部は『発注権はお店にある』という。でも、店舗経営相談員から『うなぎかば焼重、ほかでは売れています。10個お願いします』などと提案されると断りきれない」
「店舗経営相談員から『契約更新できない』と言われたことはない。しかし、必ず更新できる保証はなく、不安。本部が良く思わないことはしない方がいい」

本部優位の関係
「コンビニ加盟店ユニオン」は2009年、セブン-イレブン・ジャパンに「団体交渉のルール作り他」について団体交渉を申し入れました。しかし、同社は拒否。
14年3月20日、岡山県労働委員会はセブン-イレブン・ジャパンに対し、団体交渉の申し入れに応じるよう命令しました。その命令書の「当委員会の判断」からは、加盟店との関係における本部優位がみえてきます。
委員会は、会社(本部)と加盟店の契約の際、営業時間、ロイヤルティーの配分基準などが「当事者間の交渉等によって変更されることはあり得ず、加盟店主になろうとする者の選択肢は、契約を締結するか否かしかない」と指摘。「このことは、会社と加盟店主との間の交渉力に大きな格差があることのあらわれである」と認定しました。
新商品・新サービスの導入については、会社は「その商品・サービスがセブン-イレブン・イメージを構成する重要な要素と認めた場合は、加盟店主に強くその導入を指導するため、加盟店主がそれらの導入を拒絶することは著しく困難である」としました。


コンビニ加盟店への商品の配送=東京都内

裁量余地小さい
店舗経営相談員から加盟店への経営・運営アドバイス・指導についても、「セブン-イレブン・チェーンの特質である同一のシステムと統一的なイメージの確保の要請から強力に行われるものであり、加盟店主の裁量、自主的判断の余地は極めて小さい」としました。
店主に対する契約解除権や契約更新拒絶権について、「会社がそれを行使することがまれであるとしても、情報システムにより事業の全てを把握されて、他に生計の手段を持たない加盟店主にとっては常に脅威となり、会社の指導に対して従順にならざるをえない立場に立たされている」と指摘。「実態上、加盟店主が会社からの個々の業務の依頼に対して基本的に応じなければならないという関係が認められる」と確認しました。
セブン-イレブン加盟店のオーナーで、「全国FC加盟店協会」会長の庄司正俊さん(63)は、こう語ります。
「セブン-イレブン本部は09年に加盟店の値引き販売に関して公正取引委員会から『排除措置命令』を受け、社会的責任も問われた。それ以降の加盟店への対応は、店舗経営相談員が提案して店主に判断させるという“ソフト路線”に変化している。しかし、本部が加盟店より優位に立ち、セブン-イレブンの全国同一のシステムやイメージを損なわない範囲で加盟店に対応するという本質は変わっていない」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月6日付掲載

コンビニの本部は、加盟店の顧客や販売情報を一手に掌握していて、本部からのアドバイスがいかにももっともらしい様に見えるが…。
やっぱり、顧客と対面で商売している加盟店の店主の意向は尊重しないといけない。

コンビニ 便利さの陰に⑥ 本部が交渉を拒否

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コンビニ 便利さの陰に⑥ 本部が交渉を拒否

コンビニ店主から多くの悩みの声が上がります。
「深夜の来店は30人ほどなのに、その時間帯の人件費が総人件費の半分を占める。24時間営業をやめたい」
「売り上げが芳しくない。手取りを増やすために見切り販売を始めたい」
けれども店主のほとんどは、みずからの思いを店舗担当の本部社員に伝えることができません。

会社が適否決定
兵庫県姫路市内のファミリーマートの店長を11年務めてきた酒井孝典さん(54)も、以前は、社員に何も言えない店主でした。
ファミリーマートの場合、本部と加盟店との契約は原則として10年で終了します。契約書には、会社(本部)が、加盟者の契約期間中の業績や経営姿勢、契約違反の有無、本部との協調関係などを総合的に勘案し、「会社が再契約の適否を決定する」ことが書かれています。「再契約」の決定権は本部だけがもち、「独立した事業者」であるはずの加盟店は再契約決定の可否にかかわれません。
さらに本部は「経営力審査基準」を設けて、フランチャイズ契約違反や接客サービス、商品の品ぞろえや固定客獲得の審査項目で加盟店の優劣を判定し、得点化します。その得点を店主に伝えて、店舗運営の是正を指導しています。「経営力審査基準の点数が『再契約』されるかされないかの決定に大きく影響している」と話す店主は、少なくありません。
同審査基準の点数がどのように再契約にかかわるのかについて、ファミリーマートは「加盟店との契約に関することにはお答えできない」(広報)との答えでした。
酒井さんは「再契約されないことは、加盟店が生活の糧を失うこと。加盟店には、『自分の意思に反して契約が一方的に終了されるのではないか』との恐れが常にある」と力を込めます。ファミリーマート本部と加盟店の再契約率(10年未満の契約延長も含む)は70・8%(2011年度)、75・8%(12年度)でした。


酒井孝典さん

話し合いの場を
公正取引委員会によるコンビニ本部と加盟店との取引実態調査(11年7月発表)結果からは、本部の“優越的地位の乱用”の実態が見えてきます。
本部から仕入れ数量や新規事業の導入などの各種要請があった場合に「応じざるを得ない状況である」と回答した加盟店は半数近く(46・5%)。その事情をたずねると(複数回答)、「契約上、本部に有利な条件での契約になっているため」が6割弱(56・5%)、「本部の要請に応じないと(契約)更新できないことを示唆されることがあるため」が4割(37・3%)にのぼりました。
いま、各コンビニ本部は地方自治体と、高齢者見守りや災害時対応等のさまざまな協定を結んでいます。その際、本部は自治体の担当者と直接、やりとりします。その自治体内の加盟店店主の意見を聞くことはありません。協定締結後に、店舗経営相談員を取りまとめるマネジャー名で、店主に協定締結を伝え協力をよびかける文書が配られるだけです。
加盟店と本部が対等に話し合える場をつくらなければならない―酒井さんが執行委員長を務める「ファミリーマート加盟店ユニオン」は12年、ファミリーマートに、フランチャイズ契約の再契約基準に関する団体交渉を2度申し入れましたが、拒否されました。
今年4月16日、東京都労働委員会は、ファミリーマートが拒否したことは、正当な理由のない団体交渉拒否の不当労働行為に当たると認定。「団体交渉を拒否してはならず、速やかに誠実に応じなければならない」と命じました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月7日付掲載

24時間営業が基本のコンビニですが、地域によっては実情に合っていない場合もあります。深夜の来店は30人ほどなんて非効率の極みですね。
コンビニ加盟店と本部の団体交渉は必要です。

被爆70年 広島と長崎の平和宣言

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被爆70年 広島と長崎の平和宣言

8・6平和記念式典 広島市長の平和宣言(要旨)
広島市内で6日、平和記念式典が開かれ、松井一実広島市長が「平和宣言」を読み上げました。要旨を紹介します。

「広島をまどうてくれ(元にもどしてくれ)!」これは、故郷(ふるさと)や家族、そして身も心も元通りにしてほしいという被爆者の悲痛な叫びです。
核兵器が存在する限り、いつ誰が被爆者になるか分かりません。ひとたび発生した被害は国境を越え無差別に広がります。世界中の皆さん、被爆者の言葉とヒロシマの心をしっかり受け止め、自らの問題として真剣に考えてください。
被爆70年という節目の今年、被爆者の平均年齢は80歳を超えました。広島市は、被爆の実相を守り、世界中に広め、次世代に伝えるための取り組みを強化するとともに、加盟都市が6700を超えた平和首長会議の会長として、2020年までの核兵器廃絶と核兵器禁止条約の交渉開始に向けた世界的な流れを加速させるために、強い決意を持って全力で取り組みます。
今、各国の為政者に求められているのは、「人類愛」と「寛容」を基にした国民の幸福の追求ではないでしょうか。為政者が顔を合わせ、対話を重ねることが核兵器廃絶への第一歩となります。そうして得られる信頼を基礎にした、武力に依存しない幅広い安全保障の仕組みを創り出していかなければなりません。その実現に忍耐強く取り組むことが重要であり、日本国憲法の平和主義が示す真の平和への道筋を世界へ広めることが求められます。
また、高齢となった被爆者をはじめ、今この時も放射線の影響に苦しんでいる多くの人々の苦悩に寄り添い、支援策を充実すること、とりわけ「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。
世界の人々に対し、決意を新たに、共に核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすよう訴えます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月7日付掲載


平和式典 長崎平和宣言(要旨)
9日、長崎市主催の平和式典で、田上富久(たうえ・とみひさ)市長が読み上げた「長崎平和宣言」(要旨)は次の通りです。

原子爆弾のすさまじい破壊力を身をもって知った被爆者は、核兵器は存在してはならない、そして二度と戦争をしてはならないと深く、強く、心に刻みました。日本国憲法における平和の理念は、こうしたつらく厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、戦後、我が国は平和国家としての道を歩んできました。長崎にとっても、日本にとっても、戦争をしないという平和の理念は永久に変えてはならない原点です。
今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。
70年を経た今、私たちに必要なことは、その記憶を語り継いでいくことです。
原爆や戦争を体験した日本、そして世界の皆さん、記憶を風化させないためにも、その経験を語ってください。
若い世代の皆さん、過去の話だと切り捨てずに、未来のあなたの身に起こるかもしれない話だからこそ伝えようとする、平和への思いをしっかりと受け止めてください。
戦争の話に耳を傾け、核兵器廃絶の署名に賛同し、原爆展に足を運ぶといった一人ひとりの活動も、集まれば大きな力になります。
私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力です。
今年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書を採択できないまま閉幕しました。しかし、最終文書案には、核兵器を禁止しようとする国々の努力により、核軍縮について一歩踏み込んだ内容も盛り込むことができました。
NPT加盟国の首脳に訴えます。国連総会などあらゆる機会に、核兵器禁止条約など法的枠組みを議論する努力を続けてください。
各国首脳の皆さん、世界中の皆さん、70年前、原子雲の下で何があったのか、長崎や広島を訪れて確かめてください。
日本政府に訴えます。
国の安全保障は、核抑止力に頼らない方法を検討してください。北東アジア非核兵器地帯の設立によって、それは可能です。未来を見据え、“核の傘”から“非核の傘”への転換について、ぜひ検討してください。
「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切に守りながら、平和の種をまき続けます。
また、東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。
現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます。
被爆者の平均年齢は今年80歳を超えました。日本政府には、国の責任において、被爆者の実態に即した援護の充実と被爆体験者が生きているうちの被爆地域拡大を強く要望します。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月10日付掲載

どちらの平和宣言でも、被爆の実態を語り継ぐとともに、核兵器禁止条約に触れて、核兵器廃絶を求めています。
日本国憲法の平和主義の実行を求めています。

「しんぶん赤旗」をぜひお読みください 新ポスターできました

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「しんぶん赤旗」をぜひお読みください 新ポスターできました

瀬戸内寂聴さん 加藤剛さん 高畑勲さん “私も登場”



「しんぶん赤旗」の購読を訴える新しい2種類のボスターができました。(写真)
いま、大きく広がる日本共産党への注目、期待にかみあって、「しんぶん赤旗」の魅力を押し出す斬新なデザインです。
また、「わたしたちも紙面に登場しました」と作家・僧侶の瀬戸内寂聴さん、俳優の加藤剛さん、アニメ一ション映画監督の高畑勲さんの3氏を顔写真入りで紹介しています。
大きさは、いずれもA2判です。
このポスターは、1枚35円での販売になります。地区委員会に注文してください。
張り出しにご協力いただける方は、最寄りの日本共産党事務所にご連絡ください。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月8日付掲載

本当に斬新なデザインですね。党掲示板や支持者宅に頼んで貼りだしましょう。
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